- 看護師の働き方
看護師の年間休日の平均と有給取得率について
更新日 2025.04.09
投稿日 2025.03.13

看護師として働く皆さんは、日々の業務に追われる中で、どれだけの休日が取れているのか気になることも多いのではないでしょうか。医療現場は24時間体制で回っているため、看護師の勤務は不規則であり、休日の取り方にもさまざまな形があります。この記事では、日本看護協会の調査データを元に、看護師の年間休日の平均や有給取得率について詳しく解説します。また、休日の過ごし方や、職場による休日制度の違いについても触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
目次
看護師の年間休日数の詳細な内訳
日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、看護師の平均年間休日数は116.6日となっています。この数値は、看護師がどの程度の休暇を享受できているかを示す重要な指標です。調査では、休日数をいくつかのカテゴリーに分類しており、それぞれの割合も明らかになっています。特に「120日~130日未満」のカテゴリーが44.1%と最も多く、続いて「110日~120日未満」が31.7%となっています。この結果から、約75.8%の看護師が年間110日以上の休日を確保していることがわかります。一方で、「100日未満」の休日しか取れていない看護師は全体の約18%に達しています。これらの数値は、職場の規模や運営形態によって大きく異なることを示唆しています。例えば、大学病院や国立病院などの大規模な医療機関では、休日数が多い傾向にあります。これは、看護師の数が多く、シフト管理が効率的に行われているためです。一方、民間病院や小規模なクリニック、介護施設では、看護師の数が少なく、シフトの調整が難しいため、年間休日数が少なくなる傾向があります。最近では、週休3日制を導入する病院も増えており、これにより年間休日数が160日以上となる看護師も見受けられます。これらの変化は、看護師のワークライフバランスを改善し、職場の満足度を高める一環として捉えられています。
有給休暇の取得状況とその重要性
有給休暇は、労働者が法的に保障された休暇であり、看護師にとっても非常に重要な休日の一部です。日本看護協会「2023年病院看護実態調査」によると、看護師の有給取得率の平均は67.7%となっており、これは全産業の平均である62.1%を上回っています。これは、看護師が自身の健康や生活の質を維持するために、有給休暇を積極的に利用していることを示しています。特に、2019年4月に有給取得が義務化されて以来、看護師の有給取得率は年々増加傾向にあります。このような背景には、働き方改革の進展や職場環境の改善努力が挙げられます。しかし、有給休暇には利用期限があり、付与された日から2年を超えると消滅してしまうため、計画的に消化することが求められます。多くの医療機関では、古い有給休暇から優先的に消化できるよう配慮されており、看護師が有給を無駄にしないようサポートしています。とはいえ、夜勤や急な呼び出しが多い勤務形態では、思うように有給を取得できないケースも存在します。そのため、看護師自身が前もって休暇のスケジュールを立て、職場と協力して有給休暇をしっかりと利用することが重要です。有給休暇を適切に取得することで、心身のリフレッシュが図れ、長期的なキャリア維持にもつながります。
勤務形態別の休日の特徴
病院勤務の場合
病院で勤務する看護師の年間休日数は、施設の規模や運営形態によって大きく異なります。大規模な大学病院や国立病院では、看護師の数が多いため、シフトの調整が容易であり、比較的多くの休日を確保できる傾向にあります。具体的には、年間120日以上の休日を提供する病院が多く、安定した休暇制度が整っています。さらに、これらの病院では福利厚生も充実しており、休暇の取得もしやすい環境が整えられています。一方、民間病院や小規模病院では、看護師の数が少ないため、シフトの調整が難しく、年間休日数が少なくなる傾向があります。また、病院独自の研修や勉強会が休日に行われることもあり、結果として実質的な休日が減少することも少なくありません。そのため、看護師が働きやすい環境を選ぶ際には、休日数だけでなく、実際の勤務サイクルや研修の有無なども考慮する必要があります。
クリニック勤務の場合
クリニックや診療所で勤務する看護師は、基本的に夜勤がなく、日勤中心の勤務となるため、比較的規則的な休日を確保しやすいです。多くのクリニックでは、休診日が週に1~2日設定されており、これが看護師の休日となります。また、年末年始やお盆などの長期休暇もカレンダー通りに取れることが多く、家族や友人との予定を立てやすい環境にあります。しかし、クリニックによってはスタッフが少ないため、希望する休みを取りにくい場合もあります。特に小規模なクリニックでは、急な患者対応が必要となることがあり、予定していた休日に出勤を求められることもあります。そのため、クリニックで働く看護師は、柔軟な対応力と協調性が求められることが多いです。休日が固定されていることはメリットですが、急なシフト変更に対応できる能力も重要です。
訪問看護ステーション勤務の場合
訪問看護ステーションで働く看護師の休日は、勤務形態やステーションの運営体制によって異なります。多くの訪問看護ステーションは24時間365日対応が求められるため、完全な休日を確保するのは難しい場合があります。通常は、土日祝日が休みとなることが多いですが、オンコール体制が整っている場合は、休みの日でも出勤が必要になることがあります。また、訪問看護は患者宅に訪問するため、移動時間や準備時間が必要となり、日中に多くの業務が集中する傾向にあります。そのため、効率的なスケジュール管理が求められます。訪問看護ステーションで働く看護師は、時間管理能力や自主性が求められるとともに、柔軟な対応力が必須です。一方で、自分の働き方を柔軟に調整できる点や、患者と直接関わることができるやりがいを感じやすい点が魅力となっています。休日の取得に関しては、事前にスケジュールを調整し、計画的に休暇を取ることが重要です。
休日の効果的な活用方法
休息とリフレッシュ
看護師の仕事は、身体的にも精神的にも負担が大きいため、休日にはしっかりと休息を取ることが重要です。特に夜勤明けの休日は、疲れをしっかりと取って次の勤務に備えるために、十分な睡眠時間を確保することが求められます。また、休暇を利用して趣味やリラクゼーション活動を楽しむことで、ストレスを軽減し、心身のリフレッシュを図ることができます。例えば、読書や映画鑑賞、散歩やヨガなど、自分に合ったリラックス方法を見つけることが大切です。無理に外出せず、自宅でゆっくりと過ごすことでエネルギーを回復させることも一つの方法です。休息とリフレッシュをバランスよく取り入れることで、仕事への集中力や効率を高めることができます。
家族や友人との時間を大切にする
休日は、家族や友人と過ごす貴重な時間でもあります。忙しい日々の中でなかなか取れない時間を活用して、家族や友人との絆を深めることができます。特に、看護師の勤務形態が不規則であるため、休みが限られている場合には、一緒に過ごす時間を有意義にするために、事前に計画を立てることが重要です。例えば、家族と一緒に食事を楽しんだり、友人とお茶をするなど、リラックスした時間を共有することで、精神的なサポートを得ることができます。これにより、仕事でのストレスを軽減し、心の安定を保つことができます。また、家族や友人との時間を大切にすることで、自分自身のモチベーションも高めることができます。
自己啓発やスキルアップに充てる
看護師としてのスキルアップや自己啓発も、休日を有効に活用する一つの方法です。医療現場は日々進化しており、新しい知識や技術の習得が求められます。休日を利用して、専門書を読んだり、オンライン講座を受講したりすることで、専門知識を深めることができます。また、資格取得やセミナー参加など、自分のキャリアを向上させる活動に取り組むこともおすすめです。これにより、職場でのポジションを向上させるだけでなく、将来的なキャリアパスの選択肢を広げることができます。ただし、勉強に専念する一方で、適度な休息も忘れずに取り入れることが重要です。バランスの取れた休日の過ごし方を心がけることで、長期的なキャリアの継続に繋がります。
職場選びの際に注目すべき休日制度のポイント
休暇制度の種類とその内容
看護師が転職を考える際、休日制度は重要なチェックポイントの一つです。具体的には、4週8休制や完全週休2日制など、職場ごとに異なる休暇制度があります。4週8休制は、「4週間(28日)のうち休みが8日ある制度」であり、夜勤や半日休暇など不規則な勤務形態が多い医療機関で採用されています。一方、完全週休2日制は「毎週必ず2日の休みがある制度」であり、クリニックや訪問看護ステーションなど、日勤中心の職場で見られることが多いです。これらの制度を理解し、自分のライフスタイルに合った職場を選ぶことが大切です。
年間休日数やプラスの休暇日数を確認する
職場を選ぶ際には、年間休日数だけでなく、追加の休暇日数も確認することが重要です。例えば、夏季休暇や年末年始休暇、慶弔休暇、リフレッシュ休暇など、基本休日に加えてどの程度の追加休日があるかをチェックしましょう。これにより、実際に取れる休日の総数を把握することができます。また、有給休暇の消化率も重要なポイントです。有給休暇をしっかりと取れる環境かどうかを確認することで、長期的に健康的に働き続けることが可能になります。特に、有給休暇の消化率が高い職場では、看護師が休息をしやすく、仕事への満足度も高い傾向にあります。
シフトの柔軟性や休みの取りやすさ
シフト制の職場では、休みの取りやすさやシフトの柔軟性も重要なポイントです。急な予定変更やプライベートの事情に対応できるシフト体制が整っているかどうかを確認しましょう。また、希望休の申請がしやすい環境や、代わりの看護師を確保しやすい職場は、看護師にとって働きやすい条件となります。特に、家庭や育児と仕事を両立させたい看護師にとっては、柔軟なシフト対応が可能な職場を選ぶことが重要です。さらに、連休を取りやすい職場や、有給休暇の前倒し取得が可能な職場も魅力的です。シフトの調整がスムーズに行える職場は、看護師のストレスを軽減し、長期的な仕事の継続にも繋がります。
まとめ
看護師の年間休日数や有給取得率は、職場の規模や運営形態によって大きく異なりますが、平均的には約116日程度の休日が確保されています。また、有給休暇の取得率も67.7%と全産業平均を上回っており、働きやすい環境が整いつつあることがわかります。しかし、夜勤や急な呼び出しが多い勤務形態では、休日の確保が難しい場合もあります。そのため、職場選びの際には、自分のライフスタイルや働き方に合った休日制度を持つ職場を選ぶことが重要です。休日を有効に活用し、心身のリフレッシュを図ることで、長期的に健康的に働き続けることが可能になります。最終的に、看護師自身が自分の希望と現実を照らし合わせながら、最適な勤務先を選ぶことが、充実した職業生活を送るための鍵となります。自分に合った職場を見つけ、バランスの取れた生活を実現しましょう。